ハ・ジョンウAI首席、著書で「予算を持つAI専任省庁を必ず設立すべき」

『AI戦争2.0』出版

新政権AI首席によるAI戦略の診断

イ・ジェミョン政権で初の人工知能（AI）未来企画首席に抜擢されたハ・ジョンウ大統領室首席は、最近発刊された著書『AI戦争2.0』で「AI・デジタルイノベーション省のようなAI専任省庁を必ず設立すべきだ」と述べ、「AI専任省庁は各省庁のAI活用や導入を総括し調整できるCAIO組織のように機能するべきだ」と語った。『AI未来戦争2.0』は、ハ首席がネイバークラウドAIイノベーションセンター長だった時にハン・サンギテックフロンティア代表と共著したもので、大統領室首席任命後の先月30日に出版された。

彼は著書で「AIガバナンスに関する最大の問題は、国家AI戦略を担い推進できる組織や人、すなわち企画から実行、予算まで総合的な権限をもつリーダーシップが明確でない点だ」と指摘した。そのうえで「科学技術情報通信部傘下にAI関連部署を設ける程度では限界が明白だ」とし、「AI省という名称よりも『AI・デジタルイノベーション省』のように、より包括的かつ戦略的な名称を持つのが望ましい」と述べた。

さらに新設省庁には独立した企画権限と予算執行権限が必要で実質的な意味を持つとした。彼は「科学技術情報通信部が副総理級に格上げされても、実権がなければ意味がない」と語り、「次官級人事が他の省庁長官に『このようにすべきだ』と言っても、それが通じるだろうか。絶対に通じない。実質的な政策調整機能と予算計画権限を持たない組織は、正常に機能できない」と述べた。

また、通常CAIOは大統領室傘下で運営されるという評価についても、「たいていは室長級が担当するか、首相や大統領室首席級が担う構造が一般的だ。新設省庁と緊密にコミュニケーションできる大統領室内のカウンターパートが必要であり、できる限り高位職がAI政策を担当すべきだ」と語った。そのうえで「大統領室の秘書官はあくまで秘書の役割であり、前面で実質的責任を持ち政策を執行できる省庁が別途存在すべきだ」とした。

ハ首席は著書で、2030年までに50万枚規模の最新AI半導体を確保するため『AIデータセンター』を構築し、その運営は有能な民間企業に委ねる官民協力モデルを提案した。最高のAI専門家がAGI（汎用人工知能）研究にだけ専念できる『国家超知能研究所』新設が不可欠だともみなした。国防AI強化のため『AI専門士官制度』を導入し、防衛R&D予算の20%を国防AI基金として別途設けることも要請した。

コ・ウニ記者 koko@hankyung.com