「ステーブルコイン新市場の先取り」…法律アドバイザリー市場を拡大する法律事務所

米 GENIUS Act 可決の影響

主要法律事務所、相次ぎ対応強化

ステーブルコイン法制化が急速に進展

イ大統領公約…年内推進の可能性

非金融企業までステーブル市場に注目

キム・アンド・チャン『国内最大』の専任チーム設立

テピョンヤンは関連法案を直接提案

セジョン・ファウなど専門家を相次ぎ招聘

アメリカのGENIUS Act（GENIUS法）可決を機に、国内政界でウォン建てステーブルコインに関する法案提出が相次ぎ、主要ローファームが専任チームの拡充に乗り出している。金融企業だけでなく、非金融企業も新たなビジネスチャンスを模索する中、法律アドバイスの需要が急増しているためだ。

◇金融・非金融を問わず関心が急増

3日、法曹界と政界によると、ミン・ビョンドク、アン・ドゴルの共に民主党議員とキム・ウネ国民の力議員が相次いでステーブルコイン法案を提出しており、イ・ジェミョン大統領の大統領選公約であることから年内法律成立の可能性まで取り沙汰されている。

国内ステーブルコイン法制化の流れが加速し、企業側の準備もより急がれている。キム・アンド・チャン法律事務所は国内ローファームで最大規模となる約60人の専門家を投入し、テピョンヤンとユルチョンはそれぞれ約40人、セジョン・ファウ・バルン・クァンジャンなども20～30人規模の専任チームを構築した。

主要カード会社はステーブルコイン関連の商標登録や事業計画策定に積極的に取り組んでいる。キム・イクヒョン（ユルチョン弁護士）は「カード会社はステーブルコインが日常決済に組み込まれれば、既存の決済システムを代替し、ビジネス構造が大きく変わるため、これはサバイバルの問題と認識している」と述べた。

証券会社や資産運用会社は、ビットコイン現物ETFと連携したステーブルコイン活用策に関心を示している。ステーブルコインで直接決済することで投資プロセスを簡素化できるためだ。

非金融企業は、ステーブルコイン発行自体を新たな収益源として注目している。カカオ、ネイバーなどのビッグテックをはじめ、多様なスタートアップがテザー（USDT）など海外の成功事例をベンチマークし、市場進出を検討中だ。キム・ジュンヨン（キム・アンド・チャン弁護士）は「ステーブルコイン制度導入時はビジネスの状況も大きく変化し得るため、フィンテックから製造業まで業種を問わず関心が高い」と説明した。

◇法律事務所ごとの差別化戦略

各法律事務所も専門領域で差別化し、市場の先取りに乗り出している。最大規模の専任チームを組織したキム・アンド・チャンは、海外ステーブルコイン事業者とのパートナーシップ契約や、ステーブルコインを活用した決済サービスなどに包括的なアドバイスを行っている。

テピョンヤンは、金融監督院出身のキム・ヒョボン弁護士が国会・政府主催の各種フォーラムでステーブルコイン法案を提案するなど積極的に関与し、多数金融機関の仮想資産規制アドバイスやフィンテック企業のステーブルコイン事業アドバイスも担当している。ユルチョンは2016年の初専任チーム組成以降、蓄積した経験と、資金洗浄防止（AML）独立監査など専門性を強みとしている。

セジョンの仮想資産チームは、金融委員会出身のファン・ヒョンイル弁護士を中心に、国際税務リスクまで包括したワンストップサービスを提供している。クァンジャンは、初のトークン証券（STO）革新金融サービス指定アドバイスを提供し、ステーブルコイン決済サービス進出を検討する金融会社に総合コンサルティングを行っている。

ファウ仮想資産PGは、金融監督院デジタル金融革新局長出身のキム・ヨンテ顧問を迎え、ステーブルコインとビットコイン現物ETFアドバイスに注力している。バルンは、サイワールド暗号通貨発行禁止の仮処分や仮想通貨取引所ハッキング損害賠償訴訟での勝訴など紛争解決経験を活かし、紛争対応に特化したサービスを提供している。ジピョンは、海外仮想資産事業者の国内進出や国際規制アドバイスを提供してきた。

セミナーやフォーラムも開催が続いている。バルンは今月19日に「ステーブルコインのグローバル規制動向とビジネス」セミナーを開催。ユルチョンは9月に現案総合セミナーを予定、ジピョン法政策研究所は10月に「仮想資産と法秩序」をテーマとした定期セミナーを開催予定。クァンジャンは先月18日、デジタル資産取引所共同協議体（DAXA）、ブロックチェーン法学会、デジタル金融法フォーラムと共同で学術セミナーを開催した。

ハ・ラン記者 why@hankyung.com