米国株式市場、ジャクソンホール・ミーティングを控えダウ平均のみ上昇

ナスダックは下落、国債利回りはわずかに低下

ジャクソンホール・ミーティングと連邦準備制度理事会において利下げ派の2人の理事による演説を控え、19日（現地時間）の米国株式市場はまちまちで始まりました。

東部標準時午前10時10分時点でダウ・ジョーンズ工業株価平均は0.5%上昇し、S&P500指数は前日とほぼ同じ6,449ポイント付近でもみ合っています。ナスダック総合指数は0.4%下落しました。

10年物国債利回りは2ベーシスポイント（1bp=0.01%）大きく低下し4.314%となりました。政策に敏感な2年物国債利回りも2bp下がり3.746%を記録しました。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変動ありませんでしたが、ユーロは欧州全域の株式市場が上昇したことを受けて対ドルで0.1%上昇し、1ユーロ＝1.1674ドルに達しました。

前日遅くに米国がウクライナへの安全保障パッケージを提供すると発表し、欧州市場もSTOXX600指数が0.6%上昇するなど欧州各国の株式市場が一斉に上昇しました。

開場前に業績を発表した住宅リフォーム小売企業のホーム・デポは、今年の年間売上高と利益見通しを維持したことで株価が2%上昇し、ダウ平均の上昇を導きました。ロウズ、ウォルマート、ターゲットといった他の小売業者は週の後半に業績発表を予定しています。

インテルは米国政府が10%の出資を行うとのニュースや日本のソフトバンクから20億ドルの投資を受けるとの発表を受けて、5%近く株価が上昇しました。

パロアルトネットワークスは第4四半期決算が予想を上回り通期見通しも上方修正したことで、株価が6%以上上昇しました。

テスラは中国市場で新しい6人乗りSUV「モデル YL」の価格を中国国内の競合である理想汽車（リ・オート）のモデルと同水準に設定したとのニュースを受け、前日に続き1.3%上昇しました。

7月から利下げの必要性を主張してきた連邦準備制度理事会の2人の理事のうち、ミシェル・ボウマン理事代理がこの日講演を控えています。もう一人の利下げ派であるクリストファー・ウォラー理事は水曜日に演説を行います。

両者ともジェローム・パウエル議長の後任候補11名グループに含まれており、ともにトランプ政権下で任命され、次期議長を目指しているためハト派的な発言が出る可能性が高いとみられています。

一部のアナリストは、今年のジャクソンホール・ミーティングがパウエル議長にとって連邦準備制度理事会議長として最後になるため、9月25bpの利下げについてシグナルを出すと予想しています。

トレジャリー・パートナーズの最高投資責任者（CIO）リチャード・サパースタインは「連邦準備制度理事会はジャクソンホール・ミーティングで9月25bpの利下げおよび年末まで緩和姿勢を維持するというシグナルを出すだろう」と述べました。しかし、今回のシンポジウムがパウエル議長にとって連邦準備制度理事会議長として最後のジャクソンホール・ミーティングとなる可能性があるため「連邦準備制度の独立性の必要性がより強調される可能性が高い」と指摘しました。

CMEフェドウォッチツールによると、金利先物市場は9月の連邦準備制度理事会会合における0.25%の利下げの可能性を83%と見込んでいます。

Kim Jeonga 客員記者 kja@hankyung.com