"基準金利の引き下げは首都圏の住宅価格次第"

タカ派のシグナルを送った韓国銀行

15億ウォン超のアパートが過去最高値取引を続ける

上半期のソウルの住宅価格上昇分の26%

韓国銀行の基準金利1%P引き下げの影響

6・27対策、過熱の様相を和らげたが

価格上昇期待など不安要因は依然存在

米国の基準金利引き下げ期待が高まる

為替市場の変動性が緩和されれば

国内事情に集中して金融政策が可能

韓国銀行は来月23日の金融通貨委員会を前に、首都圏の住宅価格を基準金利引き下げの変数として挙げた。政府の不動産対策で過熱の様相はやや鎮静化したが、金利引き下げが住宅市場を再び刺激するおそれがあると懸念したものである。市場で来月の利下げ可能性が高く見られる中、韓銀が過度な期待心理を抑えるためにタカ派的なメッセージを出したとの解釈が出ている。

住宅価格を見ながら金融政策を決定

韓国銀行は11日に発行した通貨信用政策報告書でこのように明らかにした。この報告書は韓銀の金融政策決定の背景と今後の方向を説明するために毎年3月と9月の年2回作成される。

今回の報告書の執筆を主管したイ・スヒョン 金融通貨委員は「金利引き下げの時期および幅を決めるにあたっては成長の流れとともに住宅市場および家計債務の状況の安定性が重要な考慮要因である」とし、「ソウル地域の住宅価格上昇と追加上昇期待が依然高いため、住宅供給対策の効果と緩和的な金融環境が住宅価格期待に与える影響などを点検しながら追加の利下げ時期などを決定する必要がある」と強調した。

韓国銀行は「基準金利の引き下げが上半期の首都圏住宅価格上昇と家計債務拡大に影響を与えた」とし、「今年上半期のソウルのアパート価格上昇分の26%が基準金利引き下げによるものと判明した」と述べた。韓銀は昨年10月以降、4回にわたり基準金利を年3.50%から年2.50%に引き下げており、このような利下げが住宅価格上昇にかなり寄与したという意味である。残りの74%は新規住宅供給不足、緩和的な規制水準、期待心理などが影響したものと韓銀は分析した。

韓国銀行は「6・27不動産対策」で過熱が鎮静化する様子だと判断しつつも、不安要因があると見ている。韓銀は「ソウル地域の住宅価格上昇は依然高く、15億ウォン超のアパートは過去最高値での取引が続いている」とし、「追加の価格上昇期待と潜在的な購買需要が堅調である」と説明した。

金融環境は「緩和的」

基準金利引き下げが成長と物価に与えた影響はまだ現れていないと分析された。韓銀は報告書で「基準金利引き下げが成長に与える効果が現れていない」とし、「不確実性の高い時期であるため経済主体が消費と投資を先送りしている」と説明した。不確実性で遅延した成長率上昇効果は下半期から現れると韓銀は見通した。

現在の金利水準については「中立金利」に近いと評価した。パク・ジョンウ 韓国銀行副総裁補は「韓国は年3.5%から1%ポイント引き下げて基準金利が中立金利の近い水準に到達した」とし、「景気刺激のために金利をさらに早く下げるべきだという意見もあるが、金融安定リスクを考えて調整している」と説明した。

全体的な金融環境は既に緩和的であると評価された。チェ・チャンホ 韓国銀行金融政策局長は「流動性状況、金利スプレッド、リスク資産価格などの指標を見れば全体的な金融環境は緩和的な水準にある」と説明した。既に成長を助ける条件が整っているため利下げを急ぐ必要は少ないという意味に解釈された。

ただし米国の政策金利引き下げ期待が高まっている点は韓国の基準金利引き下げ可能性を高める要因だ。パク副総裁補は「米国の雇用指標が低迷し、生産者物価指数（PPI）も予想を下回っており米国の基準金利引き下げ期待があるのは事実」とし、「為替市場の変動性が緩和されれば国内状況に集中して（金融政策を）見る余地が大きくなる」と説明した。

カン・ジンギュ記者 josep@hankyung.com