バイナンス、米司法省と合意を進める…"3年の独立コンプライアンス監視が終了する可能性も"

バイナンスは2023年の合意で課された3年の独立コンプライアンス監視人制度を終了するため、米司法省(DOJ)と交渉を進めていると伝えられている。

9日（現地時間）ブルームバーグによれば、DOJはバイナンスに対する独立モニター要求を解除するか検討している。この措置は2023年にバイナンスがマネーロンダリング防止の不備など多数の規則違反疑惑に関連してDOJと締結した43億ドル規模の合意の一部で、当時はグローバル事業全体に適用され、米子会社バイナンスUSは含まれていなかった。

ブルームバーグは今回の協議が、DOJが特定の事件で外部監視人制度を縮小または終了しようとする動きの一環である可能性があると伝えた。グレンコア、ナットウェスト・グループ、オーストラリアのオスタルなど少なくとも三社が外部監視人の延長を回避した事例が確認された。企業側は外部モニター制度がコストが大きく運営に負担を与えると批判してきた。

バイナンスが規制義務の緩和を模索する時期は、米国で親産業的な規制環境が形成される流れと重なっている。ドナルド・トランプ大統領の政権はステーブルコイン法案『ジニアス法』の署名、議会の市場構造法案および中央銀行デジタル通貨(CBDC)法案の可決など主要な措置を推進してきた。

ポール・アトキンス米国証券取引委員会(SEC)委員長は最近「執行による規制の時代は終わった」と述べ、トークン化のような事案に関してより明確なガイダンスを提供すると表明した。SECはその後、流動ステーキングトークンが大抵、証券法の適用対象ではないという立場を確定した。商品先物取引委員会(CFTC)も、外国の仮想資産(暗号資産)取引所が限定的に米国の顧客にサービスを提供できる制度を整備するなど、行政府のデジタル経済政策の方向性に歩調を合わせている。