M7を追っていた海外個人投資家…アイレン・ビットパムスを買った

10月 米国株 買い越し動向

ビッグテックを探していた個人投資家たち、コイン・AI株へ

'仮想資産' アイレン 3億ドル買入

オラクル・ブロードコム 株価下落で

"安値買いの機会" 集中的な買いも

今年初めまでは「マグニフィセント7」（M7）などのビッグテック（大型テクノロジー株）銘柄に集中していた海外個人投資家が、仮想資産・人工知能（AI）関連株に目を向けている。最近、株価が停滞している銘柄を集中的に買い入れて収益率の最大化を図る動きだ。金価格が高騰する中、金の上場投資信託（ETF）に資金を入れる海外個人投資家も目立って増えている。

◇ アイレンに4225億ウォンが集まる

韓国預託決済院によると、今月に入り17日までに国内の個人投資家はアイレン（旧アイリスエナジー）を合計2億9797万ドル（約4225億ウォン）分買い入れた。この期間の純買い規模で1位だ。アイレンはビットコインのマイニング企業だ。ビットコインのマイニングには莫大な電力が使用されるが、アイレンは再生可能エネルギーを活用して電力コストを削減していると知られる。最近は再生可能エネルギーのインフラを基にAIクラウド事業に進出すると宣言した。世界市場で最も熱いテーマである『仮想資産』と『AIインフラ』を掲げ、アイレンの株価は過去1カ月で40%超急騰した。

今月、海外個人投資家が最も買い越した海外株上位20銘柄のうち、仮想資産に関連する銘柄は5つにのぼった。世界でイーサリアムを最も多く保有するビットマインイマージョンテクノロジーズにも同期間に1億8060万ドル（約2564億ウォン）が純流入した。ビットマインは現在、全発行量の2%を超える303万個のイーサリアムを確保している。カナダで設立されたビットコイン採掘会社ビットパムスも8123万ドル（約1153億ウォン）で純買い規模12位に入った。ビットパムスはアイレンと同様にAIクラウドへの事業拡大を進めている。

仮想資産のレバレッジETFにも資金が集まった。ビットマインの日次株価収益率を2倍で追う「ティレックス 2X ロング ビットマイン デイリーターゲット」には2億8573億ドル（約4057億ウォン）が純流入し、2位となった。イーサリアムの2倍レバレッジ商品である「ボラティリティ シェアーズ 2X イーサ」にも6971万ドル（約989億ウォン）が純流入した。

◇ オラクル・ブロードコムにも集中流入

AIへの投資需要も堅調だ。NVIDIA、Metaなど主要ビッグテック銘柄が買い越し上位に名を連ねる中、オラクル、ブロードコムなどM7以外の企業にも海外個人投資家の資金が大量に流入している。M7企業に対する過大評価の懸念が高まる中、別のAI恩恵銘柄を探し始めたのだ。

AIクラウド企業のオラクルは1億2063万ドル（約1712億ウォン）分が純買いされた。最近1か月で株価が約11%下落したことから、多くの投資家が安値での買いに走ったと見られる。NH投資証券のコ・ミンソン研究員は "現在、構造的な業績成長の初期段階に入り、来年からクラウドインフラ(OCI)事業の業績寄与が拡大するという点で、今回の下落は買いの機会として活用できる" と助言した。

金の買いも強まった。買い越し上位20銘柄のうち2つが金に投資するETFだった。代表的な金ETF「SPDR ゴールド・シェアーズ」には今月に入り1億6483万ドル（約2340億ウォン）、「iShares ゴールド・トラスト」には同期間に6721万ドル（約954億ウォン）が純流入した。買い越し規模だけで見ればそれぞれ5位と18位だ。最近金価格が高騰しているため、上昇モメンタムに乗った海外個人投資家が増えたと分析される。

各国中央銀行が金の買いを続けていることから、当面、金価格は上昇傾向をたどるだろうとの見方が支配的だ。KB証券のオ・ジェヨン研究員は "現在の金の上昇局面は過熱局面であっても10～12月の米連邦準備制度(Fed)の追加利下げ期待や金ETFへの資金流入、中央銀行の買いが続くことなどにより、金価格は大幅な調整なく追加上昇するだろう" と予測した。

ヤン・ジユン 記者 yang@hankyung.com