米中、関税休戦で暫定合意…対中追加関税撤回、希土類の輸出規制を1年猶予

30日の首脳会談を前に融和策

両国の高官級貿易会談で合意

大豆購入・フェンタニル遮断で接点

TikTok買収も最終合意に到達

貿易対立の拡大ではなく収束の段取り

中国が希土類の輸出規制を1年間猶予し、米国は代わりに中国に予告していた100%の追加関税を課さないことが伝えられた。来る30日に韓国で開催される米中首脳会談を前に開かれた両国の高官級会談でこうした方針が合意された。米中が首脳会談で破局を避け、関税休戦を延長する可能性が高まった。

27日、中国国営の新華社通信とブルームバーグ通信によると、スコット・ベセント米財務長官とホー・リーフォン中国副首相が率いる両代表団は前日にマレーシアのクアラルンプールで開かれた高官級貿易会談で大まかな合意に達した。ドナルド・トランプ米大統領のアジア訪問に同行しているベセント長官は前日の米メディアのインタビューで、中国の希土類の輸出規制が1年間猶予されると信じていると述べた。また、米国も中国に100%の追加関税を課さないだろうと予想すると述べた。米中は今月に入って互いに新たに抜いた「刀」を再び鞘に収めることにしたということだ。中国は当初、今月に入って希土類の輸出規制を一層強化すると表明し、米国はこれに対抗して中国に100%の追加関税を予告していた。

ベセント長官はまた "米国の農家のための大規模な農産物購入にも合意した" とし、"中国は米国を荒廃させるフェンタニル(合成麻薬)の原料物質問題の解決を支援し始めることで合意した" と述べた。米中貿易交渉の別の争点であった中国による米国産大豆購入の停止と米国へのフェンタニル流入の遮断でも接点が得られたと明らかにした。

ベセント長官は中国の人気動画プラットフォームTikTokの米国事業権を米側が買収する「TikTok合意」に関しても "我々は最終合意に達した" と述べ、"本日時点で全ての詳細が調整されており、その合意を両首脳が木曜日(30日)に韓国でまとめるだろう" と述べた。

新華社も "両国は米国による中国の海事・物流・造船業に対する(米国の通商法)301条の措置と相互の関税停止期間の延長、(合成麻薬)フェンタニルに関する関税と法執行の協力、農産物貿易、輸出規制などについて率直で深い協議を行った" とし、"互いの懸念を解決する計画について基本的合意を得た" と伝えた。

これにより、米国と中国は来月10日に期限を迎える関税休戦を延長すると見込まれる。米中が迅速に妥協点を見出したのは、貿易摩擦の拡大がもたらす経済的被害が理由だ。中国は経済成長率が急速に低下しており、米国は中国が掌握する希土類市場から別のサプライチェーンを短期間で構築することが容易でない状況にある。

北京=キム・ウンジョン特派員 kej@hankyung.com